投資の金融商品は数多くあり、さらに掘り下げると様々な種類に分かれます。投資をする上でもう一度投資商品を見直してみます。可能な限りリストアップします。
金融商品のカテゴリ
金融業界とは違うと思うのですが、私なりのカテゴリに区分しました。
- 現物
- 預金・定期預金
- 債権(国債、社債)
- 株式
- FX(通貨)
- 仮想通貨
- ファンド(投資信託、ヘッジファンド、REITなど)
- デリバティブ(金融派生商品)
- 先物取引
- オプション
- CFD
- その他
- 不動産
- ソーシャルトレーディング
これらを少し掘り下げてみます。
現物
現金や有価証券などの投資になります。
預金・定期預金
主に以下の種類があります。
- 普通預金、当座預金
- 定期預金
- MRF
- MMF
- 外貨預金
- 純金積立・プラチナ積立
普通預金、当座預金
- 預金保険制度により1,000万円まで保険が付いている。
- 金利が低い。
- 入出金に拘束がない。
定期預金
- 預金保険制度により1,000万円まで保険が付いている。
- 普通預金より金利は高いが、それでも低い。
- 原則、契約にな利、途中解約できないものもある。中途解約ができる場合でも、利率が下がってしまったり、解約手数料を取られたりする場合がある。
MRF
- 預金・定期預金のように扱っているが投資信託(ファンド)である。
- 投資信託だが、いつでも1円単位から手数料無料で入出金することができる。(だから預金感覚になる)
- 見えにくいが信託報酬は取られる。
- 預金保険制度の対象はなく、元本割れのリスクは低いが、元本保証もない。
- 普通預金より金利は高いが、それでも低い。場合によってはネット銀行の普通預金の方が高い。
- 現在、廃止の流れになっているため取扱が少ない。
MMF
- MRFとほとんど仕組みは同じ。
- 違いは、30日以内に解約すると手数料を取られることと、MRFより金利が少し高い。それでも金利は低い。
- こちらは全て廃止されたようですが、外貨MMFだけ残っている。
- 外貨建ての投資信託になるので、為替変動のリスクがある。
外貨預金
- 外貨建ての投資信託になるので、為替変動などのリスクがあるため、元本保証ではない。
- 預金保険制度の対象外のため、保証がない。
- 外貨建てを円に換金したときに、手数料を取られることがある。
純金積立・プラチナ積立
- 預金・定期預金に入れるか悩みましたが、金融機関が対応しているのでここに入れました。
- 少額で金の投資ができ、ドルコスト平均法で毎月積み立てができる。
- 元本保証ではない。
- 年会費や購入手数料を取られる。
- 現物での受け取りができる取扱会社もある。
- 現金化するのに手間がかかる場合がある。
債権(国債、社債)
債権ですかが、国や会社にお金を貸して、その利息を得るということになります。
以下の種類があります。
- 公共債
- 国債
- 政府関係機関債
- 地方債
- 民間債
- 社債
公共債
国債以外に、政府関係機関債や地方債があります。個人向け国債というのがあるくらい、本来は結構大きなお金を動かす投資です。
ここでは私たちが投資できる個人向け国債を説明します。
- 固定金利タイプ(固定3年・固定5年)と変動金利タイプ(変動10年)の3種類がある。
- 毎月発行されている。
- 個人向けは1万円からと少額で投資ができる。
- 利息を年2回得ることができる。
- 定期預金の感覚があるが、価格変動を伴う投資である。キャピタルゲインを得ることが可能である。
- 元本の保証はなく、全額返ってこないというリスクも少なからずある。
- 原則、1年以内は解約(売却)できない。
- 中途換金に手数料はかからないが、直前2回分の利息相当額の中途換金調整額を支払う必要がある。
- 実は個人売買できるらしい。
社債
社債は基本的には1億円単位になるが、個人向け社債というのがあり、100万円程度で投資が可能である。
ここでは社債全般について説明します。
- 普通社債(SB)、転換社債(CB)、ワラント債、劣後債などある。
- 転換社債:株式に転換することができる。
- ワラント債:債権と株式をセットで購入する。
- 劣後債:購入者への返済や利息の支払いの優先度が低く、そのため金利は高く設定されている。
- 調達には二通りの方法がある。
- 公募債:証券会社などから一般に募集される。
- 私募債:少数の投資家に受け渡す。流動性が低いというリスクのため、金利は高く設定されている。
- 利息には二通りある。
- 利付債:定期的に利息が支払われる。
- 割引債:利息は支払われない。利息相当分を社債の額面から割り引いて販売している。キャピタルゲインのみになる。
- 国債などの公共債より利息が高い傾向にある。
- 基本的に利息は年2回得ることができる。
- 基本的に満期になると額面金額で償還される。
- 元本の保証はなく、会社が倒産するリスクがある。そのような社債は利息が高く、リスクが低い社債は利息が低い。
- 価格変動を伴う投資である。キャピタルゲインを得ることが可能である。
- 新規発行には手数料はかからないが、発行済みの社債は手数料などが必要である。
株式
上場株式と未上場株式があるが、ここでは上場株式について説明します。未上場株式は一般人はなかなか購入できずリスクも非常に高いです。
- 株式投資は、買いと売りから投資を開始できる。
- 現物を現金で売買するだけでなく、信用取引でレバレッジが可能である。
- レバレッジは約3倍(委託保証金率:30%)である。
- 信用取引には、金利などの様々な手数料が取られる。
- 買い:信用金利、権利処理等手数料
- 売り:貸株料、逆日歩
- 共通:売買手数料、管理費
- 国内だけでなく、海外の株式も投資が可能である。
(アメリカ、ロシア、中国、香港、韓国、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシアなど) - 海外の証券会社を使えば世界中の会社に投資できる。
- IPO(新規上場株式)の投資もあるが人気が高いため抽選で購入できる。
FX(通貨)
FXを現物にするかデリバティブに区分するか悩みましたが現物としました。日本で行われている個人向けの通貨の証拠金取引は本来は差金決済であるCFDに分類されるのですが、通貨という観点で現物に入れました。
ここでは日本の証拠金取引のFXについて説明します。
- 買いと売りから投資を始められる。
- 証拠金(保証金)を預けて値動きのみの取引となる。
- 日本国内のレバレッジは25倍までで、海外では1000倍という超ハイレバレッジの会社も存在する。
- 投資する通貨ペアは、国内の会社だけでも多いところで70種類を超えている。
- 手数料は無料というのが主流で、スプレッドと言われる買いと売りの価格差が実質の手数料となっている。
- 取引には2種類の方式がある。
- DD方式:相対取引(基本的にFXと投資家とで売買しているため、投資家と利益相反になっている。
- NDD方式:通貨市場(インターバンク)に直結されており利益相反はないが、その分、スプレッドなどの手数料が高い場合がある。
- スワップポイントという金利をもらえることがある。通貨ペアの通貨の金利差をスワップポイントと呼び、この金利の率については、FX会社が任意で決めています。
仮想通貨
- 仮想通貨は以下の2種類に分けられる。
- ビットコイン
- アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨という意味である。
- 仮想通貨もレバレッジ対応しているものがある。レバレッジは4倍くらいが主流だ。
- 原則、365日24時間取引できる。
- 最小で1,000円など少額からも始められるところが多い。
- 貸仮想通貨(レンディング)というサービスを提供しているところもあり、自分が保有している仮想通貨を第三者に貸して利息をもらうという仕組みである。年率5%など高額の利息を得ることができる。
ファンド(投資信託、ヘッジファンド、REITなど)
一般から広く集めた資金を元にファンドが資金運用し、得た利益を投資家に配分するという仕組みである。
- ファンドの種類は以下がある。
- 投資信託:銀行や証券会社、郵便局などで販売されている。
- 上場投資信託(ETF・ETN):証券会社のみ販売。
- 上場投資信託にはETFとETNの2種類がある。
- ETF:各種指数と連動している。
- ETN:発行体となる金融機関が各種指数との連動を保証している。信用リスクが伴う。
- 投資信託(ファンド)の投資先による区分。
- 債権
- 株式
- 商品(コモディティ)
- 不動産(REIT、J-REIT)
- その他
- 複合(ミックス)
- 対象国による区分。
- 国内
- 海外
- 国内外
- 投資手法による区分。
- インデックス型:指数連動型で成果を出す方式である。手数料が安く人気が高い。
- アクティブ型:ファンドマネージャーなどの人の手によって成果を出す方式である。手数料は比較的高め。
- その他、MMF、MRFがある。
- 手数料は、販売手数料、信託報酬、信託財産留保額(解約手数料)などがある。
- レバレッジを効かせたものもある。
デリバティブ(金融派生商品)
先物取引
- 原則、証拠金取引の差金決済である。
- 投資対象の商品は以下の通りあるが、普通の一般人は投資できないものもある。
- 商品(コモディティ)
- 農産物(コーンや大豆など
- 工業物(金や原油など
- 金融先物
- 株価指数先物
- 国債先物
- 金利先物
- 外国為替先物
- 商品(コモディティ)
- 先物には限月と言われる期日がある。
- 大半の金融商品は順ザヤと言われる将来が高くなる傾向にある。
- 世界三大利殖の一つのサヤ滑りは先物取引で主に行う。
オプション
- 投資の保険のようなもので、投資対象である原資産について、あらかじめ決められた期日に、価格(行使価格)で取引する権利を売買する。
- 権利を売買するオプション料金をプレミアムと呼び、コールやプットなどの権利を売買する取引価格である。
- プレミアムは時間的価値や本質的価値、ボラティリティなどに影響される。
詳しくは以下を参照してください。【松井証券】4.オプションプレミアムの特性 | 先物・オプション取引「4.オプションプレミアムの特性」をご紹介します。【松井証券】 - 取引する権利とそれの売買、それに伴う利益と損益の関係は以下の通り。
最大損益 取引する権利 意味 売買 損失 利益 コールオプション 買う権利 買い 【限定】
プレミアム代金のみ【無限大】
市場価格-(権利行使価格+購入代金)売り 【無限大】
市場価格-(権利行使価格+購入代金)【限定】
プレミアム代金のみプットオプション 売る権利 買い 【限定】
プレミアム代金のみ【限定】
(権利行使価格-購入代金)-市場価格
*最大利益は原資産が0円売り 【限定】
(権利行使価格-購入代金)-市場価格
*最大損失は原資産が0円【限定】
プレミアム代金のみ - 権利行使ができるタイミングには以下の2種類があります。
- ヨーロピアンオプション:満期日のみ。
- アメリカンオプション:満期までのいつでも。
- 決済方法は以下の3種類があります。
- 反対売買:差金決済によるポジションを解消(決済)する
- 権利行使:満期日に「イン・ザ・マネー」であった場合、差金決済を行い、権利行使価格と特別清算指数(SQ値)の差額を買い手が受け取り、売り手は支払う。
- 権利放棄:満期日に「アウト・オブ・ザ・マネー」であった場合、買い手と売り手の双方に、決済により金銭の受け渡しはない。
- 権利行使価格の状態
- イン・ザ・マネー:オプションを行使すると利益が出る状態
- コールオプション:権利行使価格<市場価格
- プットオプション:権利行使価格>市場価格
- アウト・オブ・ザ・マネー:オプションを行使しても利益が出ない状態
- コールオプション:権利行使価格>市場価格
- プットオプション:権利行使価格<市場価格
- アットザマネー:権利行使価格=原資産価格(コールもプットも同じ)
- イン・ザ・マネー:オプションを行使すると利益が出る状態
- オプションは単独でも投資しますが、組み合わせによる投資が多いです。以下は戦略の一部です。
- その他の投資(原資産)とオプションの組み合わせ
- カバード・プット:原資産の売り+プットの売り
- カバード・コール:原資産の買い+コールの売り
- プロテクティブ・プット:原資産の買い+プットの買い
- プロテクティブ・コール:原資産の売り+コールの買い
- オプション相互の組み合わせ
- ロング・ストラングル:権利行使価格が異なるコールの買い+プットの買い
- ロング・ストラドル:権利行使価格が等しいコールの買い+プットの買い
- ショート・ストラングル:権利行使価格が異なるコールの売り+プットの売り
- ショート・ストラドル:権利行使価格が等しいコールの売り+プットの売り
- レシオ・コール・スプレッド:コールの買い+コールの売り× 2
- レシオ・プット・スプレッド:プットの買い+プットの売り× 2
- その他の投資(原資産)とオプションの組み合わせ
- 世界三大利殖の一つのオプション売りが有名である。
CFD
- 差金決済の取引である。
- 取引所CFDと店頭CFDがある。
- 取引所CFD:くりっく365株として売られており、多くの証券会社などが取り扱っている。
- 店頭CFD:GMOクリック証券、DMM証券、または外資系のサクソバンク証券やIG証券など、取り扱いの会社は少ない。
- 投資対象の主な商品は以下の通り。
- 株式
- 株価指数
- 商品(コモディティ)
- FX(通貨)
- 債権
- ETF
- 世界三大利殖の一つのサヤ滑りを自動的に取引してくれる会社もある。これが金利相当額的な扱いになっている。
その他
不動産
金融商品であるREITやJ-REITを除いた不動産投資は金融商品ではありませんが少しだけ紹介します。
- 一棟投資:事業用ビル、マンション、アパートなど。アパートはまだ現実的です。
- 区分マンション投資:マンションの一室です。主に都会かリゾート地になります。
- 戸建て投資:街の中心より少し外れた郊外がメインになります。
- 駐車場投資:最近は大手が幅をきかせているのでどうかなと思います。
- 民泊など:建物を民泊などの宿泊施設として投資するという考え方はありだと思うのですが、投資でも事業投資になるかと思います。
ソーシャルトレーディング
ソーシャルトレーディングはクラウドファンディングの一種類になります。
- クラウドファンディングの種類
- 購入型:商品を買って応援しようというもの。
- 寄付型:寄付ですから基本的に見返りはありません。
- 融資型:プロジェクトや企業に対してお金を貸し付けて利息を得るというもの。ソーシャルレンディングという。
- 投資型:プロジェクトや企業に対して出資するというもの。これがソーシャルトレーディングです。
- ソーシャルトレーディングとソーシャルレンディングのイグジット
- ソーシャルレンディング:返済を完了してもらう。
- ソーシャルトレーディング:上場もしくはM&A。最悪は倒産。それ以外はなし崩し的で一生株主のまま。転売は流動性が低いため非常に困難だと思う。
- ソーシャルトレーディングとソーシャルレンディングのリスク(私の考え)
このようなサービスを受けるしかない会社は、今の世の中では厳しいかなと思います。
理由は以下の通りです。- 金利が低い銀行の融資があるにも関わらず利用できない。
- 融資が嫌ならベンチャーキャピタルからの出資もある。将来性があればベンチャーキャピタルも出資してくれるはず。
私も経営していましたが、お金が欲しい時には銀行もVCもそっぽを向きますが、好調ですと借りてくれとか出資させてくれと言ってきます。だから中には本当に将来を見込めるいい会社もあるのでしょうけど、リスクは高いと思います。
2006年度版の「中小企業白書」によると、起業後の生存率は3年で約42%、10年には約26%です。
少し古いですがそれくらいベンチャー企業は厳しいです。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html
*上記のページが無くなりました。。。
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